LEVEL:05  私は立ち止まらない



   LEVEL:05  私は立ち止まらない



 薄そうなまぶた。滑らかな頬の曲線には触れてみたい。繊細なラインの鼻筋。唇は僅かに開いたまま。頭部を繋ぐ首は、少しでも力を込めたら折れそうだ。
 一つ一つのパーツが精巧なビスクドールのようだと、アスティアは思った。しかし皮膚の下に這い透ける血管の存在に、飾り物ではない生身の息吹を感じる。
 ハニーブロンドの緩やかな巻き毛が一房、ベッドからさらさらとこぼれた。湿気混じりの突風を受け、窓を閉めに立つと案の定、不定なリズムを叩く雫がにわか雨の到来を告げる。
 グレイに沈んだムーンペタの街並みが、窓を隔てて歪んで行く。ガラスに映るのは己の顔と背景。その中で、少女が横たわっている。
 ムーンブルク王家唯一の生存者、ルナフィーリア王女。
 彼女は眠り続けていた。呪いの影響による疲労が色濃いと、セシルは話していた。境遇を不憫に思いながら、再び彼女に目を向ける。
 十年前も、彼女の容姿には惹かれた。従姉妹や貴族の娘たちとは明らかに違う質に触れ、多少なりとも動じた事を覚えている。記憶と今を重ね合わせても、目を惹く存在である事に変わりはなかった。
 アスティアは苦慮していた。今後彼女と、どう接するべきか。
 今、彼女の精神がデリケートな状態にある事は推測出来る。不用意な失言は許されない。
 そして、自分が女性の扱いに心許ない面がある事も自覚している。社交辞令以上に踏み込んだ事も無かったし、踏み込ませなかった。
 異性に無関心な訳ではないが、周囲に存在していた女性はただただ厄介だった思い出――地位目当てにすり寄り、色を使い、あわよくば取り入って甘い汁を吸おうという魂胆が透けて見える者ばかりで嫌気がさした――ばかりだ。加えて色恋沙汰は以ての他とも考えていたので、意識的に避けて来た所もある。
 アスティアにとっては、異性よりも何よりも、責務を全うする事が最優先で、全てだったのだ。
 再会時に見せたあの、プライドの高い目を思い出して不安が募る。とりあえず今は、誰にでも臆面無いセシルの存在が救いなのかもしれないと思った。
 視線を外し、息を抜いて思考を切り替える。今は、仕上げなければならない書簡があった。机に戻ろうと何気なく視線を動かして、不意に気付く。
 僅かにはだけた毛布から覗く、華奢な裸足の爪先。
(――白い)
 意表をつかれ、アスティアは一瞬息を止めた。意図せず体格差を意識してしまい、全身に熱が昇る感覚に襲われる。
 脳裏に浮かぶのは、胸元にするりと零れ落ちた柔らかなハニーブロンド。思い起こしてしまったのはステンドグラスの残光の中、一糸まとわず無防備な瞳でこちらを見上げていたルナフィーリアの姿だった。
 爪先に視覚を奪われ、身体の自由をも奪われて奇妙な浮遊感に捕われる。
 今までは、派手にドレスをはだけて迫られても感じるのは嫌悪だけで、動じたりはしなかった。だが今はこの、爪先だけで異性を意識し、高揚してしまった違和感。普段からは全く縁遠い熱に駆られて困苦していると、唐突にガチャガチャと鍵の音が響き我に返った。はっと顔を向ければドアが開き、同時に慣れた声が聞こえて来る。
「あーもー参ったよー。急に降って来るんだもんなぁ」
 所用を足しに出ていたセシルだ。
 心音がえらい事になっている。――不所存だ。自身で驚く程動揺した後に振って来たのは、奇妙な罪悪感だった。複雑さに顔を背け、バスルームへタオルを取りに向かう。セシルはずぶ濡れだった。
「災難だったようで」
 戸口で荷物の無事を確かめ、濡れた衣服を脱いでいる彼にそれを放ると、
「っと、ありがとう」
 僅かに照準がずれ、セシルはよろけながら受ける。早速身体を拭きながら室内に入るなり、彼は不思議そうな顔でこちらを覗き込んで来た。
「……何かあった?」
「いや」
「でも、ちょっと顔が赤くない?」
「そうか?」
 指摘を何事も無かったかのように受け流すと、セシルは首を傾げたものの、それ以上突っ込む事はしなかった。そして、奥のルナフィーリアを一瞥する。
「まだ、目を覚まさないんだ」
「ああ」
 返答にセシルは心配を隠さず眉を寄せ、黙る。アスティアからは何も切り出せない。会話が中断した所で一呼吸置き、セシルは自分の荷物を探って着替えを始めた。その途中で、何を思い出したのか。
「ふふっ」
「どうした」
 セシルが突然吹き出したので、怪訝で尋ねた。彼は目元に笑い皺を作りながら声を潜め、
「聞いてよ。王女の着替えも買いに行ったんだけど、流石に下着事情って解らないだろ? 狼狽えてたら店の人に変な顔されてさー。咄嗟に女装趣味があるんだって言ったら爆笑されたんだけど、その人ノリに乗ちゃってさ。散々、女物の服を試着させられるはめになったんだよー」
「冗談がきついな」
「わりと似合ってたのが恐いんだけどね」
 失笑すると、セシルはケラケラ笑いながら上着に袖を通す。
「まぁ、まともなの一式揃えてくれたから助かったけどさ。ところでそれ、何?」
 着替え終えたセシルが示したのは、机に広げていた書きかけの書面だった。
「本国への報告伝書だ。王女の生存と、ムーンブルク視察の結果をまとめていた」
「そっか……。彼女、これからどうなるんだろう。僕たちが出来る事ってなんだろうな」
 笑顔を瞬時にトーンダウンさせ、セシルは途方に暮れた声を出す。やはり切り替え達人だと妙な所で感心しつつも、その重い問いに答えなど出せなかった。
「まずは一刻も早く、安全な場所へ御連れしなければならないと考えている」
「そうだね。僕は、君の国――ローレシアで保護して頂くのが一番良いと思う」
「環境的には、穏やかなサマルトリアが好ましいのだがな」
「ははっ。でもそんな事しちゃったら周りが煩いと思うよー?」
「解っている」
 あくまで、ローレシアは三国の代表なのだ。
「ん……」
 会話の切れ目に空いた静けさへ、二人以外の声が空気を震わせた。奥のベッドを見れば、いつの間にかルナフィーリアが上半身を起こしている。彼女は周囲を見回した後、こちらに気付いて視線を固定した。
「私は……?」
 掠れた声が小さく届く。
「あの夜から二日程、眠り続けておられた」
 セシルとの会話で折角鎮まった動揺がぶり返さぬよう、静かに答えると、彼女は口の中で小さく二日も……と反芻して俯いた。セシルはサイドテーブルのグラスに水差しを傾け、ルナフィーリアに手渡す。
「ご気分はいかがですか?」
 彼女はグラスを受け、ゆっくりと水を口にした後、一息ついて表情を緩めた。
「ありがとう。大分、楽になりました」
「それはよかった」
 セシルが安堵を見せると、ルナフィーリアは小さく微笑んだ。
「……改めて。お二人にお逢いするのは十年ぶりでしたわね。見違えてしまいましたわ」
「殿下はすっかりお美しくなられました。勿論、十年前も十分に可憐でしたけれど」
 あまりにも自然に述べられた為か、セシルの世辞にルナフィーリアは頬を染めてはにかんだ。
「あの時の事はよく覚えています。とても楽しかったわ。妹さんは、お元気?」
「すっかりませた娘になりましたよ」
「とても可愛いのでしょうね」
「殿下には及びませんが」
 セシルは肩を竦めて笑う。その仕草にルナフィーリアもクスリと声を立てた後、二人は昔のように見つめ合った。その様子に、アスティアは同じく昔のように目を細める。そう言えば、この二人はとても仲がよかった。
 過去を思い起こしていると、軽い談笑を終えた二人に見上げられた。アスティアは勤めて事務的な態度を選び、ルナフィーリアを見る。
「殿下」
「はい」
「病み上がりの御体に御無礼は承知。しかし我らに猶予は少ないと見受けられる故、ここで御伺いする事を御許し願いたい。ムーンブルクが陥落した今、ロト三国主席国の義務に従い、我がローレシアにてルナフィーリア殿下を保護させて頂きたく存じます。ついては御身の安全の為、体調が整い次第ローレシアまで御同行願いたいのだが、宜しいだろうか」
 アスティアが尋ねると、彼女は眉根を寄せて表情を曇らせる。数秒の思案後に出された答えは、
「いえ。折角ですが私は、城へ戻ります」
 ノーだった。この発言には、セシルが黙らなかった。
「それは危険です!」
「……何故?」
「それは、――」
 当然と言えば当然の質問なのだが、セシルは答えられずに息詰まってしまう。代わりにアスティアが答えた。
「ムーンブルクは既に魔物の巣窟と化した廃城となっている。そのような場所に、殿下を赴かせる訳には参らぬ故」
「そうだとしても。私には王族として、国の現状を見る義務があります」
 ルナフィーリアは毅然として顔を上げ、真っ直ぐに告げる。頑として譲ろうとはしなかった。
 またこの瞳に脅されるのか、と、アスティアは内心舌打ちする。彼女は恐らく、こうと決めた事は頑固なまでに貫き通したがる質なのだと理解した。ならば、
「了解致した」
「アス」
 折れたアスティアにセシルは声を上げたが、非難はせずに飲み込んだようだった。視界の端でそれを確認した後、告げる。
「ただし、一つだけ条件を付けさせて頂きたい。道中、私たちが同行する事へ御承諾を」
「……ありがとう。お願いします」
 アスティアの対応に、ルナフィーリアは静かに礼を述べた。そして、厳しかった表情を僅かに崩して肩の力を抜いた。
「あ……そうだ」
 そこで間髪入れずにセシルが呟いた。視線を送ると、彼は購入してきたばかりの包みを手に取り、ルナフィーリアへ差し出す。
「とりあえず普段使い用の服を一式用意してきました。あまり良いモノじゃないけれど、よかったら着て下さい」
「まあ! ありがとうセシル殿下。とても助かりますわ」
 それをきっかけに談笑を再開する二人。和んだ空気に改めて今、セシルが居てくれて助かったと思う。自分だけではぎこちない空気のままで過ごさなければならなかっただろう。
 話の腰を折っても仕方がないと一歩下がり、アスティアはそのまま黙る事を決める。彼らから離れ、机上の書面を片付けた。ふと見た窓の向こうは、一層激しく雫を散らす雨空。相変わらずのグレイッシュトーンに心は晴れない。ムーンペタに入ってからというもの、天候の優れない日が続いていた。
 窓際に寄り、雨粒の軌跡が描く弧をたどるようにガラスに触れる。乾いている表面は冷たい。拳を握り、目を閉じた。まぶたの裏に浮かぶのは、廃城を包む瘴気の霧。
(本当に、あの光景を彼女に見せても良いのだろうか)
 思考する頬を、稲光が青白く照らした。
 雨は、一向に上がる気配を見せない。




◆    ◇    ◆    ◇


 道中のコンディションは最悪だった。至る所に残る水たまり、緩くぬかるんだ地面――歩く度に泥が跳ね上がる。そんな状況でも、ルナフィーリアは一切文句を言わなかった。ただ黙々と、先導するアスティアの後ろを歩いている。
 ルナフィーリアは不気味な程落ち着いていた。怪訝だったが、彼女の思う所など解るはずも無い。それより今は、彼女を安全にムーンブルクまで先導する事を考えなければならなかった。後方はセシルに任せ、アスティアは正面左右に気を巡らせて進む。
 空はやはり、曇り。分厚い雲に覆われたまま、青空が見える気配は一向にない。ここで再び雨天に見舞われては厄介だと危惧しながら、風の動きにも注意する。
 緊張を維持したまま、どれ程進んだ頃だったのか。アスティアはその風に混じる、耳障りな羽音に気付いて足を止めた。
「――どうか、なさったの」
 遠くを見据え動かないアスティアに、ルナフィーリアが不安気に尋ねる。
「多分魔物がいるんだよ」
 セシルが答えると彼女は硬直した。アスティアは体制を整えながら後方を示し、告げる。
「察しの通りだ。私が前衛に出る。セシルには無理を強いてしまうが、殿下を護りながらで後衛を頼めるか」
「任せて」
「殿下はセシルから離れず、御自衛願います」
「解りましたわ。……お気を付けて」
 セシルがルナフィーリアを連れて下がったのを確認し、アスティアは二人を護るように構えてゴーグルを下げた。
 やがて、羽音が空気を一層騒がせる。前方からやってきたのは、トカゲの身体にハエを連想させる四枚の羽を生やした緑色の魔物――リザードフライの群れだった。
「ギラ!」
 彼らが気付く前にセシルが動く。放たれた炎は一匹を打ち落とし周囲を騒然とさせた。それを合図にリザードフライたちはけたたましく羽音を上げてこちらを認め、敵意剥き出して飛び掛ってきた。
 アスティアは剣を構え、ぬかるむ地面を駆けて応戦する。個体は弱いが、数だけは多かった。一匹ずつ丁寧に撃墜し、死角に回る者はセシルに仕留めてもらう。互いに手一杯になりながらも順調に数を減らし、このまま何事も無く終わるかに見えていたのだが――
「アス、左からギラが来る!」
 それは、不審に気付いたセシルからの警告だった。
「!」
 咄嗟に振り向いた先には大口を開けたリザードフライが、セシルのギラと似た波動の炎を放ってきた。間髪盾をかざしたが、炎は予想外の広がりを見せてアスティアを襲う。
「――ゥ……ッ!」
 衝撃と共に激しい痛みが駆け抜ける。アスティアは声にならない悲鳴を吐いて片膝を付いた。見遣れば、庇いきれなかったギラの炎が左腿を焼いている。焦げた異臭と尋常ではない痛みに脂汗が盛り上がる。
 まさに、痛恨の一撃。魔力が皆無故か、アスティアは攻撃呪文への耐性も同様に皆無だった。
 勢いを殺がれてしまったアスティアに、リザードフライはここぞとばかりに群がってくる。膝をついたまま、それでも応戦し続けなければならなかった。
「アス!」
 慌てながらも追撃の援護に手一杯で、セシルは回復体勢に切り替えられない。ギリリと歯ぎしりする横で、意外な動きがあった。
「――聖なる癒しの力を」
 それは空に透き通るような、美しい旋律の詠唱。セシルは見る。白い光に包まれ、両手を差し出すように掲げて呪文を唱えているのは、ルナフィーリアだった。
「べホイミ!」
 解放の言葉が響いた直後、アスティアの身体も淡い白色光に包まれる。するとどうか、痛みが次第に和らいで行く感覚に気が付いた。患部を見れば徐々に修復していく傷跡。先程まで焼け焦げていたはずのそこからは痕が消え、熱さえも静かに引いていく。
(行けるか――!)
 アスティアは剣を握りなおし、今なお襲い来るリザードフライに向かって踏み込んだ。問題ない。弾みをつけ、残りを一掃しにかかる。
 全てに止めを刺し終えた後、アスティアは静まり返った空気の中で小さく息を吐き、ゴーグルを上げた。視線は無意識に、傷があった場所を探す。
「アス、大丈夫?!」
 セシルが駆け寄ってくる。顔を上げると、彼は心底青ざめた顔でこちらを見つめていた。
「僕、追撃援護に必死で……回復に回れなくてごめん」
 アスティアは即座に首を振り、
「いや。気付けなかった私の判断ミスだ。すまなかった」
 素直に詫びた。うつむきかけていたセシルが上げた顔に頷いた後、今度は戦線を離れて身を護っていたルナフィーリアに歩み寄る。
「迅速な治療措置に感謝を申し上げる。貴女の御陰で大事に至らず、危機を脱する事が出来た」
 丁寧に礼を述べると、彼女は小さく首を振る。
「いえ……私にはこれしか、出来る事がありませんから」
 控えめなルナフィーリアに、反応したのはセシルだった。
「これくらい、だなんて。君が居てくれて本当に助かったんだよ。もうベホイミを使えるレベルにいるなんて、研究熱心なんだね」
「でも私、まだこの呪文しか使えないのよ」
 セシルの賞賛に、ルナフィーリアははにかみながら続ける。
「私はただ、大切な人を痛みから救う力が欲しかったの。お母様が病弱だったせいもあって、……少しでも、楽になって頂きたかったから。思い立ってからはずっと、聖なる癒しの力を高める事だけに必死だったの」
 アスティアはすべて過去形にされた言葉に気付き、そっとルナフィーリアを見た。彼女は微笑んでいるはずなのに、印象は無表情に近い。眉を潜めてセシルを伺えば彼も同様に感じたのか、表情が曇り始めている。
「――君は、優しいね」
「そんな事は……ふふっ。でも、セシルは多彩ね」
「僕のはただの器用貧乏だよ。二人みたいに、一つを突き詰められればいいんだろうけど」
「器用は、不器用よりよっぽどいいと思うわ。臨機応変に動けるのは素晴らしい事だと思うもの」
 セシルは肩を竦めて複雑そうに照れた後、ルナフィーリアの裾を示して話題を変えた。
「それよりさ、かなり汚れちゃってるけど……平気?」
 気遣いにルナフィーリアは静かに微笑み、
「ありがとう。でも、これ位なら平気よ」
 毅然と返答する彼女へ、セシルは安堵したように笑み返す。
 会話が続き、緊迫していた空気が和らいだ所でアスティアは輪を外れ、気になっていた痕を再度確認した。焦げた衣服が不自然な程、そこに火傷など無かったかのように治療されている。
(……凄い)
 感嘆のような、複雑なため息をコッソリ吐き出して、目を閉じる。手も触れずに一瞬で大怪我を負わせ、一瞬で治療を済ませてしまう、用途両面を持つ強力なエネルギー。
 改めて、魔法の持つ力を魅せ付けられたアスティアだった。




◆    ◇    ◆    ◇


 ムーンブルク城は、あの風雨で一層荒れていた。救いは、雨と低気温で異臭が多少押さえられている事だが、ルナフィーリアにとっては何の意味も無い。
 彼女は何も言わない。記憶と現実の相違に実感が湧かないのか、呆然と周囲を見渡しながら歩き続ける。ようやく口を開いたのはとある場所――以前、王冠と杖が転がっていたあの庭園だった。
「あの日。私はこの場所で、お父様とばらを見ていたの。このつぼみがもう少し大きくなったら、お母様のお部屋に飾って差し上げましょう――そんな話をしながら……」
 枯れ朽ち、ツルだけが無惨に残されたアーチに触れ、彼女はやけに淡々とした声で話し続ける。
「襲撃は本当に唐突だったわ。兵士から報告を受けた直後、魔物が私たちの前に現れたの。お父様は命を賭して私を護り、……。向こうの地下へ、逃がして下さいました。けれど、地下に降りた私の前に、魔物たちとは明らかに違う存在――白装束に、禍々しい仮面を着けた神官が現れたのです」
「仮面の神官?」
 セシルが反芻すると、ルナフィーリアは頷いて続ける。
「大神官ハーゴンの配下、悪魔神官と名乗ったわ。ムーンブルク陥落の指揮官として命を受けた、と。追い詰められた私はその者から呪いを受け、ムーンペタの街へと飛ばされてしまったのです」
 回想を終え、ルナフィーリアは閉じていた目を開ける。
「一つ、御尋ねしても宜しいだろうか。何故、貴女だけが呪いを受け、そして生かされたのか」
「私にもわかりません。ただ……悪魔神官は一度、私を殺そうとはしたのです。あの時一体、何をためらったのか、……」
 答えるルナフィーリアの声が震え、掠れて消える。アーチに触れていた手が拳を握り、ポピーレッドの瞳が光沢を帯びて揺らめいた。彼女はそれ以上を言わず、言葉の間を与えずに踵を返した。
 最後に向かったのは謁見の間だった。玉座に載せられているのは王冠と、杖。以前訪れた時、二人で移動させたものだった。ルナフィーリアは玉座まで進み、杖にそっと指を伸ばす。
「……お父様」
 ルナフィーリアが小さく呟いた時だった。周囲に変化が生じ、アスティアとセシルは顔を見合わせる。揺らぐ空気、視界――あたりに無数の気配が漂い始め、異変に驚愕して周囲を見渡せば、そこかしこに無数の炎が立ち昇る。
「ひと……だま」
 セシルは目眩でも起こしたのか、額を押さえて呻いた。視線で疑問をぶつけると、彼は頷いて続ける。
「ムーンブルクはロト三国の中で、最も魔力の高い一族が治めた国でしょ――彼女の魔力と残留思念が共鳴して、死者の魂が存在を現したんだと思う」
「死者の魂が見える、だと」
 既にアスティアの常識を超えている。呆然と成り行きを見ていると、不意にルナフィーリアのローブが翻った。――風。
【余が、護らなければ……】
 その風に乗り、どこからとも無く聞こえた低い声に総毛立つ。見れば、玉座の前にふわりと現れた炎。ルナフィーリアはその炎と対峙し、震える。
「お父様?」
【邪神なんぞに、この城を明け渡したりはせぬ……ッ!】
「お父様!」
 先程よりも鮮明に聞こえた声で、ルナフィーリアは確信したように叫んだ。炎はぼんやりと、やがてくっきりその姿を成形していく。完全に人を模した炎が象る輪郭は、初老の男性だった。威厳を放つその姿には見覚えがある。
 紛う事無く、ムーンブルク王。
 アスティアは咄嗟に膝を付き、セシルも条件反射的に同じ動作の礼を取る。
【護らなければ……余は、この国を、護らなければならぬ……だがどうした事か、余の目には何も見えぬ。何も聞こえぬ――おおお、エルフリーデ……どこにおるのだ、ルナフィーリア……!】
「私はここにいますわ! お父様!」
 呼びかけられ、ルナフィーリアは喉から搾り出すように答えるが、ムーンブルク王には届かない様子だった。あくまで幻影なのか――そうこうしている内に、王の姿が歪み始める。その両手を挙げ、表情を苦悶に変えながら、ゆらゆら、ゆらゆら――
【ああ……熱い、熱い……身体が燃えるように……ッ、オオオオォォァアアア――――ッ!】
「嫌ああ、待って、お父様あぁぁああッ!」
 咆哮。炎の像は途端にグニャリと潰れ、ムーンブルク王の姿が崩れて行く。身を乗り出すように差し出されたルナフィーリアの手は、
「――ッ」
 虚しく空を切り、炎の幻影を霧散させた。時を同じくして消え行く無数の気配。落ちた静寂の中、ルナフィーリアは呆然とへたり込む。その肩は微動だにしない。
 アスティアは、その肩を見つめて息を潜める。
(俺は、どうすればいい)
 理解しがたい現象に触れた今、かける言葉すら浮かばない。思考を巡らせる横で、セシルは意を決したように顎を引いた。そしてルナフィーリアの傍へ屈み込み、
「ルナフィーリア」
 呼ばれると、彼女の肩は僅かに反応する。
「私は」
 数秒の静寂後、ようやくルナフィーリアが口を開いたが、
「!」
 ガラリと、瓦礫の崩れる音が響いて反射的に身構えた。注意を向ければ地中から這い出してくる何かが、
「魔物!」
 顔色を変えるセシルの側で次々に地中、瓦礫の隙間から姿を現したのは生ける屍の魔物――リビングデッドだった。アスティアは剣を抜いて臨戦態勢を取り、
「下がって、――!」
 セシルは彼女を庇おうと腕を広げた――が、そこでルナフィーリアは予想外の動きに出た。
「ワアアアァアッ!」
 絶叫を上げてセシルの腕をくぐり抜け、手にしていた杖を渾身で振り上げたのである。杖はリビングデッドの顎を直撃し、衝突の鈍い音が響き渡った。ルナフィーリアはよろめいたその口へためらい無く杖の先端を突っ込み、そして、
「お前たちのせいでぇええッ!」
 糾号と共に爆発する魔力、ルナフィーリアから放出した光はリビングデッドの口内に激突し、流れ込む魔力によって身体がおぞましく膨れ上がっていく。そして膨張の限界を超えた瞬間、ミシリと音を立てて破裂した。吹き漏れた魔力は風の刃となって周囲のリビングデットをも巻き込み、切り裂き――勢いのままにびしゃびしゃと飛び散る肉片、返り血。それらを浴びながら、それでも彼女は表情一つ変えない。
 その阿鼻叫喚を、アスティアは瞬き一つせず見る。セシルは卒倒しかねない顔色で、それでも目は閉じずに放心していた。
 僅か数秒で魔物の気配が消え、あたりが静まり返る。そこで一際甲高く響いたのは、ルナフィーリアが杖を石の床に落とした音だった。彼女は両手を口に当て、崩れるように地面へうずくまる。乱れた呼吸、引きつるように大きく揺れる肩。おう吐を催したのだと察し、アスティアはその背へ駆けて手を当てる。その動きで我に返ったセシルが水筒に手をかけた時、ルナフィーリアはひくりと痙攣し、一気におう吐した。胃の内容物が無くなっても尚しゃくり上げ、吐き続ける。
 落ち着くまで介抱していると、一陣の風がルナフィーリアの髪を吹き上げて消えた。彼女は返り血、汗、涙、おう吐物――汚れを袖で拭い、ゆっくりと顔を上げる。そして大きく息を吸い、
「……ハーゴン」
 同一人物の声とは思えなかった。
 硬質さにセシルが息をのむ。アスティアは覇気に気圧される。
 ルナフィーリアは動かない。
 ただただ壮絶な、無表情だった。




◆    ◇    ◆    ◇


 進まない真っ白な書面が目に痛い。ペンを置き、眉間に親指を押し当てて苦悩する。この状況を、本国にどう報告すればいいのだろう。勿論、見たままを報告すればいいだけなのだが、どうにも筆が進まない。気がかりなのは、やはり――視線を奥に向ければ、そこには数日前と似たような光景があった。
 ムーンペタに戻るとルナフィーリアは再び、床に付く事を余儀なくされてしまった。強力な攻撃魔法を爆発させた反動に身体が耐えられなかった事もあるが、それ以上に心へ負った傷が深かったのだと推測出来る。
 彼女はあの後、泣き叫ぶ事も無く、涙を流す事も無く、ただ無表情で、一切の感情を切り捨ててしまったかのように反応を示さないまま、気を失った。
「やっぱり、彼女に見せるべきじゃなかったんだ」
 硬い声が呻いた。振り向くと、応接ソファの端に沈んだセシルが絶望的に青ざめていた。アスティアは無言で向かいのソファに移動する。疲労のまま深く腰掛けて、長い溜め息を抜いた。
「俺は今まで、判断を間違わぬように勤めてきたのだが――今回ばかりは、承諾してしまった事を悔やまずにはいられない」
 込み上げる憤りに、アスティアは震える拳を強く握り、目を閉じる。
「僕も、もっと食い下がればよかったんだ。今更何を言ったってもう、何も変わらないけれど、これだけは言える。君の判断だけが悪かった訳じゃない」
「セシル」
 思いがけない言葉をかけられて彼を見ると、セシルはアスティアを元気付けるように微笑する。
「……今は、先を考えようか。ローレシアへ彼女を送り届けた後、どうするかを」
「先、か」
 静かに反芻して、アスティアは思い切る。確かにこれ以上、終わってしまった事を考え続けていても埒が明かないだろう。
「何か案はあるの?」
 表情を切り替えたアスティアに、セシルが尋ねる。
「俺は、アレフガルドに向かうのは如何だろう、と考えていた」
「アレフガルド――と言うと、ラダトーム?」
 地名に浅く頷き、アスティアは理由を続ける。
「今必要なのは、圧倒的に少ない邪神教の情報を得る事だ。世界の中心的都市であるラダトームならば、何かしら得る物があるのではないかと推測しているのだが、どう思う」
「そうだね。結局、ムーンブルクでも革新的な情報は殆ど得られなかったから……。ラダトームへは、確かルプガナから船が出ているはずだよね。そっちに行くには――えっと、地図」
 場所を照らし合わせようと、荷物から地図を探すセシル。その背後に靴音が響き、アスティアは顔を上げて目を見張る。
「ルプガナへ向かうには西の砂漠を超え、大陸を繋ぐ唯一の橋が駆けられた双子の塔、ドラゴンの角に渡された橋を通る以外に方法はありません。しかし先日、橋は魔物たちの手によって落とされたと聞きましたわ」
 その声にセシルは腰を浮かせて振り返り、瞠目してその名を呼ぶ。
「ルナフィーリア……! もう、起きても大丈夫なのかい」
 セシルの問いにルナフィーリアは一つ頷いて、
「ご迷惑をおかけしました。いつまでも寝ている訳には参りませんから」
 調子は低い。が、あれ以降初めて発せられたその声に、セシルは僅かな安堵を見せた。様子を伺い、アスティアはルナフィーリアに続きを問う。
「殿下、その話は本当なのだろうか」
「残念ながら。ムーンブルクも落ちた今、橋を修復する目処などは立っていないでしょう」
 ルナフィーリアはきっぱりと肯定する。
「そんな――じゃあ、他にルプガナへ行く方法は、船で渡る事はできないのかな」
「海峡は荒れているので、船で渡り切る事など到底出来ないでしょう。しかし、望みは一つだけ存在します」
「望み、とは」
 アスティアが問う。その視線に、ルナフィーリアは切実な思いをぶつけて来た。
「それをお教えする前に、改めてお願いがあります。アスティア殿下、セシル。どうか、お二人の旅に同行させて下さいませ」
「な……!」
 セシルは完全に席を立ち、アスティアは眉を潜める。
「私はハーゴンを、この手で仕留めたいのです」
 それは憎しみに捕われたかのような、燃えるポピーレッドの瞳だった。アスティアはその瞳を真っ直ぐに見据えた後、首を横に振る。
「御気持ちは察するに余りあるが――しかし、今度ばかりは承諾しかねる」
「何故?」
「ルプガナへ向かう為にはまず、砂漠を超えなければならない。その道中にて、貴女の体力が持つかどうか」
「行ってみなければ解りませんわ」
「無事に辿り着けたとて、ルプガナ以降も危険は常であろう事が予想出来る。命の保証すらないと解っているこの旅に、女性の貴女を御連れする訳には参らない」
 ルナフィーリアの眉がぴくりと動いた。
「つまり貴方は、女は足手まといになるから邪魔だと、そう仰りたいの」
 確認するように問われ、アスティアは引き下がって欲しい一心で頷いた。
「乱暴に申し上げれば」
「侮辱だわ!」
 肯定の直後、ルナフィーリアが爆発させたのは強い反発だった。彼女は身を乗り出すようにアスティアへ食いかかる。
「私の力はご覧になったでしょう? 私の魔力をその目で、その身体で実感していながら手足纏いだなんて!」
「魔力だけで渡って行ける程甘い旅ではない。殿下――どうか、今度ばかりは大人しく従って頂きたい」
 対するアスティアは平静なまま、揺るがず言い返した。その事務的な物言いに、ルナフィーリアは開きかけた唇を一度、閉じた。そして、
「……随分ですのね」
 低く呟かれた一言。そこでアスティアは、冷めた瞳が悪意に光るのを見逃さなかった。
「そう言えば……アスティア殿下? 貴方には魔力が備わらなかったと、風の噂に聞き及んでおりましたけれど。これは事実ですの?」
 唐突に切り出された話題に、アスティアは内心身構えた。何故、今それを持ち出す必要があるのだろう。
「事実です」
「まぁ……!」
 否定する必要も無いので正面から肯定すると、ルナフィーリアは大袈裟に驚いて見せ、口元を手で隠して目を細めた。
「古来より伝わりし魔力は、ルビス様より賜りし崇高なる祝福。呪文は、ロト王家に連なる者として代々受け継がれゆくべき技。それを一切使えないなんて貴方、本当にロトの血筋ですの」
 ひやりと、鼻先に剣を突きつけられたような気分だった。平常心を失わせたいのか。ならば意地でも、態度を崩す訳にはいかなかった。明らかに見下した眼のルナフィーリアを真っ直ぐに見据え、努めて静かに言い返す。
「何とでも仰れば良い。その類いの悪口雑言は聞き慣れている故」
「達者な言い逃れです事」
 ルナフィーリアは不快を隠さなかった。
「私は、呪文も使えない貴方になど指図されたくありませんわ」
 この嘲りには流石に、アスティアも次の句を止めた。込み上げる感情は喉の奥で、開放を促すように熱くなる。今口を開けば恐らく、収拾がつかなくなる――。
 唯でさえ普通の精神状態ではない彼女を、これ以上刺激する事は出来ない。言葉無く睨みあっていると、様子を見ていたセシルが動いた。
「二人とも落ち着いてよ。今は言い争ってる場合じゃない。そうでしょ」
 その冷静な声が、張りつめた空気を通り抜ける。ほぼ同時に顔を背け合い、四つの目がセシルに集中する。その殺気立った視線に彼は引きつったものの、話の軌道を戻す為にルナフィーリアを見る。
「ルナフィーリア。僕も、君の同行には賛同しかねるよ」
「貴方までそんな事を言うの……!」
「解って。僕は、僕たちは君を心配しているからこそ言うのであって、けして邪険にしている訳じゃないんだ。だから――」
「わかりましたわ」
「え?」
 真摯に思いを伝え始めたセシルを、ルナフィーリアは唐突にあっさりした承諾で遮った。セシルは疑問符を浮かべる。
「……ルナフィーリア?」
 セシルが名を呼ぶと彼女は、声を殺して言い放った。
「もう、結構です。貴方たちには頼りません。誰の手を借りずとも私は、私で進む事に致します」
「無茶だ!」
 セシルが上げた否定に、ルナフィーリアは声を荒げる。
「無茶だとしてももう私しかいないの! 仇を討つまで私は立ち止まらない。私のムーンブルク――お父様、お母様、愛する民の為にも、立ち止まってはいられないのよ!」
「ルナ、……」
 セシルは何か言おうとして、やめた。酷く悲しそうに沈んだ顔で。
「殿下」
 アスティアが低い声を出す。ルナフィーリアは途端に芝居がかり、大げさに怖がったフリを見せて口角を上げる。
「貴方たちなんて、ここで立ち往生なさっていれば良いのだわ。私が、先へ進む為のキーを握っている事はお忘れになられているようですもの」
 発言に眉を潜めると、彼女は腕を組んで続ける。
「私の同行を認めない方々に、ムーンブルク機密である情報を流す訳に参りません。どうしても、と言うのなら非礼を詫びて認めなさい。そうしたら、快く教えてあげてもよくってよ」
 彼女は切り札をちらつかせ、威圧するように見据えてくる。
 このまま目を離せば無茶をしかねない彼女の勢いに、アスティアは閉口する。これではもう、折れるしか、選択肢は残されていないのか。
 他で情報を探り、ドラゴンの角を攻略する事は恐らく可能だろう。ルナフィーリアを無理矢理ローレシアに連れて行き、保護と言う名の監禁を強いる事も。
(本当に、それでいいのか)
 セシルが言った言葉が脳裏を過る。
『彼女の為に、僕たちが出来る事ってなんだろう』
 ルナフィーリアを見れば、その態度は横柄に強がっているが、その瞳は充血して濡れている。ひどく不安定なその揺らめきに、胸の奥がしくりと痛んだ。今、彼女は独りだ。帰る場所もない。
 また、繰り返すのか。今度のも判断ミスになるのではないか。葛藤はあったが、アスティアの気持ちは、同行を承諾する選択以外に余地はなかった。
 今の彼女を、放っておいてはならない。
「了解致した。この先も、殿下と共に。――どうか、発言の不手際を御許し願いたい」
 今度はセシルの反論も無かった。彼は無言のままで目を逸らし、拳を小さく握りしめている。ルナフィーリアは口元の笑みを消して、
「最初からそう仰って頂ければ良かったのよ。煩わせないで頂戴」
 そう、言い放った。
「……。無茶だけはなさいませんよう」
「言ったでしょう。私は、貴方に指図される覚えなどありませんの」
 今は耐えるしかないのだと言い聞かせ、アスティアは甘んじて受ける。下手を選んだ彼に、ルナフィーリアは明らかな不満を覗かせた。
「貴方はつまらないわ」
「ルナフィーリア」
 見かねたセシルに窘められ、彼女はつんと視線を外して踵を返した。
「そうと決まればすぐにでも風の塔へ。その地に、ドラゴンの角を渡りきる為の重要なアイテムが安置されておりますわ」
 緩く弾むハニーブロンド。気丈に強がる小さな背中が切なかった。アスティアは眉間のしわを一層深く刻む。
「アス……大丈夫かな」
「出来る限りで立ち回るしかない」
 不安げなセシルの呼び掛けには頷くだけで止め、彼女の後を追い歩く。数秒後、セシルも後を追いかけてくる。


『貴方、本当にロトの血筋ですの?』
 蔑むように笑ったルナフィーリア。決別したはずの、垢染みた緑の本が脳裏に浮かび、アスティアは無意識に拳を握りしめる。
(望むな。俺は、俺でしかないのだから)
 だから今は、何を言われても耐えるしかないのだと思った。むしろそれで、少しでも彼女の気が紛れるのならば、安い――とも。
 不透明な先行きに反するよう、空はいつしか透明に晴れ渡っている。なるようにしかならないのだと覚悟を決め、アスティアは顎を引いて前を見据えた。

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