Deep inside of you(ロレムンR18)

※読む前に

この小説に出てくるキャラクターは、DQ2本編のメンバーと名前こそ同じですが、性格設定が多少異なりますので、他人として読んで頂ければ幸いです。

また、このお話は以前書いたロレムンSS③を加筆した、R18です。異性間で性描写の強い話ですので、十分御自衛された上でお読み頂けたら幸いです。




  Deep inside of you



「俺は、自分の使命を理解しているつもりだ。ハーゴンを討伐し終えた今、俺はローレシアに帰り、国を継ぐべく責務を果たす。貴女も、ムーンブルク復興に向けて従事する」
「……ええ。だから、二人きりで会えるのは今夜で最後だわ」
 ルーナは一度瞬きし、胸元で握りしめた拳に力を込めた。今言えなければもう二度と、彼に触れる事は叶わないのだから。
 決意に濡れたポピーレッドの瞳が、真っ直ぐにアスを映して儚く煌めく。
「だから、今夜だけでいい。貴方のぬくもりに甘えさせて。これから……貴方と離れても、強く生きていけるだけの勇気が欲しい」
 告げて、ルーナは早鐘の鼓動に震えが止まらなかった。その性格上、彼はおそらくのってこない。それでも言わずにはいられなかった。
 返答を待つ僅かな、しかし久遠の様な一瞬。
 アスは、その冷たい色の瞳を僅かに動かしただけ。反応はそれだけだった。やはり、こんな最後の夜でも彼は……。
 羞恥と落胆でそっと伏せた、ルーナのまつ毛が小さく震える。
(どうせ断られるなら、こんな想いなど氷点下まで凍らせて、突き落として砕いてくれた方がいい。この、浅ましさなど粉々にしてしまえばいい……っ)
 そう思うのに、何故だろう。自分の瞳が熱を持ち、あっという間に頬をこぼれ這う雫の感触。
 沈黙が断りなら、これ以上ここにはいられない。銷魂の決別を告げようと、うつむいていた顔を上げれば、アスはこちらを見つめていた。
 言葉無く視線を合わせれば、アスは、細く長い息を吐き出し、その沈鬱が僅かに綻ぶ。
「そんな顔を、するな」
「だって」
 彼はおもむろに手を伸ばし、頬のあたりに揺れるハニーブロンドの髪を一房指に絡め取った。触れられていた髪が、さらりと解れていく。アスの指先はそのまま頬に触れ、微熱を伝える。
「……貴女に」
「……え?」
「貴女にそこまで言わせてしまった。この不甲斐無さを赦してほしい。――それが欲しいのは、本当は俺の方だ」
 ルーナは無言で、とつとつと話しだすアスを見つめる。
「ただ、俺は……貴女に触れたら、責務を捨てて貴女を連れ去るかもしれない」
 冗談を言わない性格なのは知っている。瞠目していると、アスは初めてその瞳に表情を浮かべる。緩い光沢を帯び、薄いその色に熱が入り込む。
「……そんな事はしないって、私は分かっているわ」
 思わず漏れた笑みに、アスは苦笑した。
「貴女にはかなわない。……ルーナ、手を」
「……?」
 言われた通りに手を差し出すと、アスはその手を取り、甲へ、恭しく口づけを落とした。そして次はルーナの瞳を見つめたまま手首を返し、その内側へそっと、口づけを落とした。
 放心したように、ルーナは一連の仕草に見惚れていた。
 アスは唇を離して、低く、でも強く。
「どうか、今宵を共に。
  俺も、貴女が欲しい」
 ピリリと背筋に鋭い何かが走る。ゆるゆると理解し、その意味を噛みしめるように唇を結んだ。
 もう、互いに遠慮する必要は皆無だった。アスは触れていたままの手を引き寄せ、身体ごと抱きあげる。急な浮遊感に慌てて彼の首元に抱きつくと、その耳へ、
「ベッドへ。一秒も惜しい」
 囁かれた言葉。ルーナの喉が、コクリと音を立てた。


 脱ぎ落とされたアスの帽子とゴーグル、上着と、ルーナのフード。バラバラに倒れた二人分の靴。
 そっとベッドに降ろされるや、アスはそのままルーナの唇を奪う。熱を孕んだ二人の吐息が、冷たい空気に溶け込んでいく。
 外は雪のロンダルキア、シルバリーブルーの静寂。まるで夜の深い底に沈んでいくかのよう。しゃら、しゃらりと密やかな音をたてる肌擦れでさえ、官能的な響きとなって鼓膜を刺激する。
 極限まで落とされた照明の中で、お互いしか無かった。最初は確かめるようだった口づけも、次第に深くなり気分が高揚する。
 ルーナはアスのアンダーウェアの裾に手を差し込み、素肌へ手を這わす。熱を帯びた背中は隆々と滑らかで、広い。
 ずっと見つめ続けてきた愛しい背中。もう、ここを護ることはないのかと思うと、寂しさに勝てず爪を立てた。アスは小さく息を抜き、絡めあっていた舌を離す。
 どちらのとも言えない唾液でぬらりとした彼の唇。その色香にくらりと眩暈を覚えつつ、ルーナはそのままアスの服を引っ張り脱がせる。
「大胆だな」
「私から誘ったのよ。これ位は」
 思いを隠した早口の返答に軽く笑い、アスはルーナのローブに手をかける。
「どう脱がす」
「後ろにボタンがあるわ」
 アスはルーナの背中に手を回し、ボタンを一つずつ外していく。ローブが緩むのを、ぼんやり感じていた。やがて肩から袖を下ろされ、薄衣の下着に包まれた上半身があらわになる。
「こう向き合ってみると……恥ずかしいものね」
「そうだな」
 アスは気のない相槌をうち、再びルーナの唇を求めた。そして白い喉元からつ……と辿るように指を滑らせ、そのまま右の膨らみの外周をやんわり撫でる。ピクンと揺れるルーナの肩。アスの手指はやわやわと優しく胸に触れ続け、頭頂の蕾を探り当てる。
「……ッ」
 肩をすくめて声を詰まらせると、触れていた唇が僅かに笑った。彼はそこを執拗に撫で転がしていく。
 じわじわと奥から這い上がってくる得体の知れない快感に、ルーナは溺れていく。
 気づけばお互い、一糸まとわぬ姿で抱き合っていた。細部を丁寧に愛され撫でられ、身体が次第に咲いていく。
 やがて花の深部にも指を差し入れられ、初めての感触にふるりと身震いする。
 あふれていた愛のみつが、その指にとろりと絡みつく。ルーナは指を噛み、羞恥に耐えた。身体はもう、溶けきって蒸発しそうなほど熱い。余計な事を考える余裕は皆無だった。
 やがてその指は、撫ぜるように円を描きながら固く閉じた最後の蕾に触れた。
「……っ」
 強い性感が背筋を駆け抜ける。耐えきれず抜けた吐息交じりの声が、扇情的にアスを動かす。彼は探るように指を動かしながら、身を任せてよがるルーナを見ていた。
「きれいだ、ルーナ」
「……っ」
 不意に囁かれた言葉が、ルーナの鼓膜を揺らす。目を開ければ、すぐ間近にアス。陶然とした瞳が薄く笑んでいた。
「あ、……見ない、でぇ……っ」
 羞恥が限界だった。必死に両腕で顔を覆うと、しかしすぐにその手は退けられた。
「やっ」
 アスはルーナの白い喉に口付けし、欲のまま舌を這わせる。ゾクゾクとする感覚に耐えきれず、ルーナは切れ切れに高い声を漏らした。
 アスの指と舌に逃げ場なく追い詰められて、一瞬プツリと意識が宙に散る。

 だらりと脱力した四肢。速い呼吸と鼓動。ルーナは自分の身に起きた現象に呆然とする。何が起きたのか解らない。
 涙目になっていた視線をアスに向ければ、ふと目に入ったのは彼の猛り。しばし其れを凝視していると、頭上で苦笑が漏れた。
「こうしたのは貴女だ」
「ーー!」
 ハッとしてアスの顔を見上げれば、彼はなんとも言えない顔をしている。
「触れてもいいの?」
 つい、只々興味本位で尋ねてしまった。アスは表情を変えないまま、
「嫌でなければ」
 嫌なわけがないっ、そう抗議を込めて、ルーナは両手でそっと包むように触れた。アスの腰が僅かに身じろぐ。構わず、ルーナはその手触りと温度を愛しむように撫でて、その先端へそっと口づけた。
「……ルーナ」
「……?」
「流石に限界なんだが」
「え?」
 見れば、苦笑の裏に苦悶すら浮かべて、アスはルーナを制した。
「あれで終わりだと思って頂いては困る」
「……ッ!」
 言葉と同時に体勢を変え、アスはルーナに覆い被さった。行動を理解し、ルーナは息を飲む。
 脚を開かれたのち、まだ過敏なそこに彼の猛りを押し付けられ、みつを絡めるように擦られて腰が浮く。それをしっかり押さえられアスを見上げれば、ギラギラした目でこちらを見据えていた。
「もう抑えられそうにない」
 次の未知を覚悟し、ルーナはアスの手にそっと触れる。アスは丁寧にその手を取り、指を絡めて言う。
「辛かったら教えてくれ。悪いようにはしない」
 頷くと、アスはそのままグッと腰を下ろした。
「ーーッ!」
 快感から一転、引き裂かれるような痛みに目を剥いた。いくら蜜にまみれほぐれたとはいえ、誰の侵入も許した事のない最奥。そこへ容赦なく押し入ってくるこの痛みは至福なのか、最初で最後に対する絶望なのか? 綯交ぜになった感情が目に溢れた。触れていたアスの手を、力一杯握り締めて震える。
「痛いか」
 その反応にアスは多少慌てたようだった。ルーナは首で否定し、微笑む。
「止めないで……うれしいの」
「ルーナ……っ」
 アスは名を呼びかき抱き、一気に最奥まで突き入れた。隙間なく抱き合った身体は溶け合うように、体温を上げていく。
 理性は限界を超えた。後は獣のように互いを求めて振れ愛い、互いをうわ言のように何度もなんども呼び合い、果てには椿のように、咲き乱れた身体が落ちていく。

 もっとアスを感じていたい。もっともっとこうしていたい……! もっと早く、こうすればよかった。
 けれど、それを口に出すのはマナー違反だと、お互いに解りきっている。
 だから無言のまま。ゆっくりと引いていく熱を感じながら、余韻を抱き締めあっていた。
 確かにある、内と外に注がれた温もり。今はそれだけを。言葉にしない思いは、唇を重ねて唾液ごと飲み込み、身体の深部に封じて鍵を掛けてしまえばいい。
 どちらからともなく交わした、長い長い口づけの終わり。アスは、ルーナの瞳を見つめて呟いた。
「ルーナに愛された事を、この夜を、俺は誇りに思う」
「……ありがとう。これで私はきっと、歩いて行ける」
 胸を張り、これからを生きていく。

 空には、明けの白い三日月が微笑んでいた。
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